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自己紹介をお願いします。

今村武史と申します。『多機能型事業所くるり』で児童発達支援・サービス管理責任者をしています。障がい者福祉の世界で働かせていただき約20年になります。

生まれ育ちは熊本市です。大分県、福岡県、熊本県にある福祉施設で利用者様への支援に関わってきました。現在玉名市に住んでおります。

法人及び事業所の紹介をお願いします。

天水福祉事業会は今年70周年を迎える社会福祉法人です。戦後間もない昭和28年に天水町で保育園からスタートしました。その後70年間にわたって、児童、障がい、高齢の福祉事業を展開し、地域と利用者様をつないできました。法人理念は「つなぐ」です。

私の勤務する事業所は多機能型事業所くるりといいます。有明圏域では初めてとなる重症心身障がい児を対象とする事業所として平成30年9月1日に、玉名市築地で事業を開始しました。児童発達支援・放課後等デイサービスからスタートし、昨年4月からは障がい者福祉サービスとして生活介護も開始しました。

利用されている方は、重症心身障がい児・者、心臓疾患があり酸素療法等を行いながら生活をされているお子様、身体面の不自由があり、立位や歩行の練習に取り組んでいるお子様が中心となっています。児童発達支援では小集団による療育や、幼稚園や保育園等の通園に向けた準備ができるように支援を行っています。

『くるり』の自慢できるところは?

くるりは「心温まる丁寧な支援」をモットーに発達支援(療育)を行っています。お子様、保護者様のニーズに寄り添い、願いを実現していこうという思いがどの職員にもあります。例えば放課後の短い時間帯でも入浴サービスを行い、お子様にとっては将来に向けて自宅以外の入浴を経験する目的として、ご家族に対しては負担軽減によりお子様との団らんの時間をたくさん作っていただくことを大切に対応しています。

活動は職員がそれぞれの想いや特技を活かして提案しています。季節を感じることができる遊びや音楽、制作等の活動、調理体験、農福連携を知る活動として野菜を育てたりしています。活動中は皆さん楽しく参加されている様子で利用者様や職員の笑い声がたくさん聞こえて明るい雰囲気です。

日頃の業務についてお聞かせください。

児童発達支援・サービス管理責任者として、ご利用者様・保護者様への対応や相談業務、支援計画の作成、関係機関との連絡調整、利用希望の把握や送迎の運行の対応など関わる業務に取り組んでいます。関わっていただく皆様との信頼関係を大切にして安心して利用していただけるように対応し取り組んでいます。

今の仕事で楽しい点とつらい点は何ですか?

つらいと思うことはありませんが、難しさを感じることはあります。利用者様、保護者様の思いに応えることができずに自らの働きが行き届かないとき、職員との意思疎通がうまくいかないとき、自分自身がどのように動けばよいのか、足りなかったことがないのか、日々の振り返りの中で業務を遂行するようにしています。今年度は主任という立場になりましたが、今まで通り一職員として気軽に声をかけていただけるように行動するようにしています。ご利用者様の気持ちに寄り添い、支えていく姿勢を忘れずに務めるようにしています。

楽しい点は、ご利用者様からいただく声や喜怒哀楽の表情、職員に対する気遣いも含めた意思の表出があるときです。障がいの重い方から気持ちを汲み取るのは難しい部分ではありますが、わずかな小さなサインでも気持ちを発信してくださっているとわかったとき、とても嬉しくなります。送迎時に保護者の方やご利用者様の学校の先生との申し送りの際に、お子様が、くるりの利用を楽しみにされていると聞くと「期待に応えなければ!!」と心の中で叫んでいます。

また、利用者様との「お話タイム」も楽しみにしています。一日のスケジュールを頑張って過ごす目標を達成して活動の最後に好きなことをする時間を設定している利用者の方から「今村さんと話をする時間も定期的に作ってほしい」と要望があり、相談室で話を聞いています。笑顔で話しかけていただく利用者様の姿にいつも癒されています。

仕事をするうえで大切にしていることは?

大切にしていることは「当事者(利用者)主体の支援」です。この世界で働き始めた時、平成12年頃で措置から契約に変わる直前の時代でした。当時入職した事業所では職員主体の支援が当たり前の状態でした。「契約=利用者主体」に変わっていかなければならない大切な時期でした。ボランティア先や大学で学んでいましたので支援の実践から始めました。敬称「~さん付け」で呼ぶことを大切に接していきました。

受け身が多かった利用者の方に対しても自ら意思を決定できるようにも取り組みました。遠慮して何も伝えられなかった利用者様から「〇〇をしたい!」と希望があった時対応すると、冗談も含めて気軽に話しかけてくださるようになり、利用者の方々だけの輪の中にも入れていただき交流を深めました。職員である私を気にかけてくださったりもしました。対等な立場で、ひとりの人間として寄り添う姿勢があれば、同じように利用者の方が返してくださったのです。寄り添ってくださるのです。取り組みを続けて、周囲の職員の方が利用者主体の支援に気づいてくださった時は嬉しかったです。今でも初めて勤めた事業所の利用者様からは毎年、年賀状で温かいメッセージをいただいています。

くるりにおいても、職員も利用者の方もお子様も含めて基本的に敬称で呼ぶようにお願いしています。小さいお子様に対しても人間としての敬意を持ち成長に寄り添う事業所づくりを目指していきたいです。

なぜこの仕事を選ばれたのですか?

若い頃の経験が今の自分につながっていると思います。小さい頃から冒険心が強く家から出かけて人と交流するのが好きでした。お友達と遊ぶ時も、家族で出かける時も出かけて行って帰ってこないほどいろいろな人と交流するのが好きでした。社交的な性格もあると思います。10代の頃は、見聞を広めようと思い、北海道へ自転車で1周1人旅や、海外にもひとり旅に出て現地の若い人と交流し日本と違う文化や生活なども体験しました。多くの人に出会い関わる中で「いろいろな立場にある人と分け隔てなく交流したい」という気持ちが強くありました。

福祉との関わりはボランティアから始まりました。大学で社会福祉を学びながら玉名市と菊水町(現和水町)の障がい者施設や高齢者施設へ週に2回通い、教会の神父様やシスターと一緒に、利用者の方の話し相手や、作業や音楽を一緒にしたり、食事介助等を経験しました。人と関わる事と、支えあう活動に参加したことが今の仕事を選ぶきっかけになっていたと思います。

休日はどのように過ごされていますか?

一番の趣味は自然に関わり時間を忘れて過ごすことです。住んでいる家が山あいの静かで豊かな自然のなかにあり美しい四季を感じながら過ごしています。小さな耕運機で田んぼを耕し自然栽培で掛け干しのお米作りもしています。家族で協力しながら大自然の中で農作業をする時間は仕事を忘れリフレッシュできる時間です。

休日の日は長靴につなぎ服を着ていることも多いです。歩くことも好きなので朝晩よく近くを歩いています。

『天水福祉事業会』に入職して

本法人に入職して約6年になりました。神道の教えを基本とする法人ですが、クリスチャンである私も、温かく受け入れてくださり働かせていただいています。
毎朝神棚に向かってお参りしますが、祈りと尊敬の気持ちをもって手を合わせるようにしています。宗教が違ってもお互いに福祉のために協力し働いていくことができるのは素晴らしい事だと思います。世界平和と同じようにお互いを思いやり支えあう社会の実現のために働いていきたいと思います。
みんなで唱和する法人理念「つなぐ」は私が歩んできた福祉のあゆみにもつながっています。過去から現代をつなぎ、感謝の気持ちで誰もが安心して生きていく社会ができるようにこれからも働いていきたいと思います。

仕事でもプライベートでも構いません。
今後取り組みたいことは何ですか?

仕事では今年度スタートした生活介護を中心に支援の充実を図ることや、職員間の交流も図れるようチームワークを深めたいです。関係機関の方々と交流を深め、スキルアップのために研鑽も深めたいです。

同じ敷地内にある小規模保育所との交流や連携にも取り組みたいと思っています。ご利用者様や保護者様がくるりを利用して楽しい!と思っていただけるよう取り組んでいきたいですね。

プライベートではコロナ禍が落ち着けばいろいろな場所へ外出したいです。最近はしていない登山や旅行にも行き行動範囲を広げていきたいです。

最後に福祉で働くことを志す方にメッセージをお願いします。

「障がいのある方をサポートする」ということが強調される部分はありますが、私は利用者の方も関わる支援者も同じ人間なので、人としての関わり、交流の中で福祉は実践することだと考えています。私も大分県、福岡県、そして熊本県で多くの方々に支えられ関わってきましたが、どの利用者様にも個性があり、可能性はたくさんあって、支援者はその可能性を発掘し、利用者様ができることを発見することも私たちの仕事だと思います。終わりがないとも思えますが、未来に向かってたくさん発見できる楽しい仕事です。人が好きで交流し支えあう素敵なお仕事だと思います。一緒に働いてくださる方お待ちしています!!

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