本来であれば苓山寮へ足を運びお話をお伺いするところですが、コロナウイルス感染予防の観点よりZoomにてお話を伺っております。
苓山寮について
春はレンゲソウ、夏は蛍、秋はヒガンバナに彩られる緑豊かな田園地帯に、青い屋根の苓山寮はあります。昭和42年(1967年)に知的障害者(当時は精神薄弱者)の更生施設として45名でスタートしました。その後平成元年に通勤寮、平成5年に第二苓山寮(授産施設)が分かれ、現在約60名の利用者様が暮らされています。今年は創立から55年になる歴史の長い施設です。
施設名 | 社会福祉法人啓明会 苓山寮 |
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所在地 | 〒863-0006 熊本県天草市本町下河内680番地 |
開設年月日 | 昭和42年11月16日 |
「明るく素直に仲良く」
これは苓山寮の理念です。利用者のみなさんにも分かりやすいものをと考えて作られたとのことです。職員の方はこの理念の元、利用者のみなさんの「家族の次」の存在になることを目指して支援されています。
安心・安全な生活の提供
歴史の長い施設なので、在寮期間が40年を超える方が約3分の1、60才以上の方が約半数を占め、心身の健康を維持し安心・安全な生活を送っていただくための生活全般についての支援を行っています。普通食からペースト食まで多様な食形態での食事提供、リクライニング車椅子、ギャッジアップベッド等の導入、訪問歯科診療、喀痰吸引等幅広く対応しています。
日中活動の充実と多くの行事
近年世代交代が進み、在寮10年未満のご利用者さんが約3分の1を占められています。椎茸の原木栽培、陶芸活動、歩行活動等若いご利用者さん達には体を動かす活動を、また室内での機能訓練、音楽活動等、皆が一緒にできる活動も楽しまれています。陶芸活動で作っているムツゴロウの箸置きは、ロングセラーになっているとのことです。
苓山寮には毎月色々な行事があり、ご利用者の皆様の生活の楽しみになっているそうです。
特にカフェ風にしつらえた部屋で、季節のスイーツと飲み物をいただくオープンカフェは、みなさん大好きです。
地域への貢献
利用者のみなさんと地域のみなさんとの繋がりを維持し、少しでも地域のお役に立つことはないかと考えられ、地区のみなさんとの懇談会を通じてニーズを拾い上げられています。そこから生まれた活動は、神社清掃のお手伝い、道路周辺のゴミ拾い、地域の空き缶回収などです。
また、2年前の大雨で天草の海岸に沢山のごみが流れ着いたことから、天草の海岸清掃を「チャレンジto0」と言う名前で続けられています。さらに施設の資源を地域に還元するという意味で、保育園や小学校との交流、地域サロンのお手伝いや施設研修や行事へのお誘い等も行われています。
「利用者、地域、職員の幸福をともに追求する」
理念実現のために作られたこの方針の下、私達の使命は、人と人の間にある物的、精神的垣根を取り払い、ユニバーサルな社会の実現に寄与することです。これからも目の前にある課題に一つ一つ真摯に取り組みながら歩みを進めていきます。
【新人職員の声】
全くの未経験で右も左も分からない状態で勤め始めて2年が過ぎました。まず感じていることは「明るく 素直に 仲良く」の理念通り素直でまっすぐな優しい利用者の方達と関わることができるやり甲斐のある仕事だということです。また、先輩職員、同僚含めチームワークのしっかりとれた環境で、お互い切磋琢磨しながら日々より良い支援が提供できていると感じます。
日中活動の充実、多種多様な行事が目白押しで充実した時間を過ごすことができています。地域と密着した行事も多く、地域社会への貢献にもこれから携わっていきたいと考えています。